不思議の国のアリス。。

 面白かった。今回は時航機で過去での再チャレンジという趣向でした。「過去は変えられない。」という生命を含めて全てを支配する大時計を作り上げた管理人タイムの言葉をアリスは見事に覆す。
 なんといっても時間を遡る描写が面白い。大きく荒れる海の波頭から過去の出来事が海中に透けて見える。そこへ時航機で飛び込むと過去に戻っている。
 何作目かの映画ターミネータで水銀のように液体化する敵ターミネータが溶鉱炉に転落、もがきながら今まで殺害してきた人間の顔に千変万化して溶けていく場面があったがそれを思い出した。
 そして映画のオープニング、大嵐の海原で海賊に追われる商船ワンダー号。船長は長じたアリス。嵐の海風の音にもまして砲弾が唸り、ワンダー号が波頭から波の底まで翻弄されるなか、決断、無謀にも帆を一杯に張る、船を横転寸前にさせながらも浅瀬の岩礁を渡りきり海賊船から逃れた。この描写が冒頭でインプットされていたのでなおさら時間を遡る描写が迫力として伝わってくる。
 さらに面白いのは時空の荒海でアリスの乗る近未来的な時航機を追跡する時間管理人タイムの乗るタイムマシーンが手漕ぎトロッコのような明らかに時代遅れという設定。管理人タイムが木製のレバーを上下にギチギチ漕ぐ、それがアリスの乗る時航機クロノスフィアと同じような速度を出す。
 管理人タイムはアリスに盗まれた時間の源であるこのクロノスフィアを取り戻すべくアリスを追跡するのだ。
 ジョニー・デップ扮するマッドハッターは自分の家族はまだ生きているという言葉をアリスが信じないことから憔悴して死にかける。 マッドハッターを甦らせるために彼の家族が死んだとされる時間への旅に出た。時空冒険の過程で暴君、赤の女王イラスべスの生い立ちも分かる。
 この映画のキャラクターでマッドハッターもさることながら頭でっかちのイラスべス、秀逸な眼球の演技、丸い双子の兄弟も可愛い。 
 原作者ルイス・キャロルも151年後にこんな映画になるとは想像もしなかったでしょう。

 ※151年前(1865)といえば日本では幕末の動乱期。元治2年西郷吉之助が妻を娶り4月には改元され慶応元年となった年。
 その4年後には徳川幕府が終焉を迎える。

塩田剛三先生直伝 
合気道 小山田道場